定例議会

一般質問

平成20年9月一般質問

平成20年9月定例会(第290回)平成20年10月1日(水曜日)

(一般質問

1. 明日香村 に関する県の取り組みについて

議長のお許しを得て、早速質問に入ります。
 初めに、私の生まれ育った 明日香村 にかかわる県の取り組みについて二点知事に伺います。
 まず、今までに節目節目に質問をしてまいりました 明日香村 整備計画についてであります。日本の心のふるさと 明日香村 は、我が国の律令国家体制が初めて形成された時代に、政治・文化の中心的な地域であり、我が国のみならず、中国や韓国をはじめとするアジア諸国の当時の歴史にも関連が深い、数多くの重要な歴史的・文化的遺産が村内全域に残されています。また、千数百年を経た今日も、万葉集に歌われた風土が当時をしのばせる状態で保存されているという、ほかに類を見ない貴重な歴史的風土を形成しています。
 この貴重な 明日香村 の歴史的風土を良好な状態で後世に伝え、そこに暮らす住民の生活安定や農林業などの産業振興、村の基盤整備を図るため、昭和55年に 明日香村 特別措置法が制定され、これに基づき、県は 明日香村 整備計画を策定しています。現在の第三次 明日香村 整備計画は、平成12年度から21年度までの10年間を計画期間とし、計画に基づき事業が進められているところです。
 この計画は、国の補助割合の特例などを受けて、道路、河川、下水道といった生活環境の整備や農林業などの産業振興を進めるなど、歴史的風土の保存と村民の生活との調和を図ろうとするものであります。また、歴史的風土を創造的に活用し、学び、体験し、実感できる歴史文化の学習の場としての魅力ある 明日香村 の実現を図ろうとするものであると理解しています。この第三次整備計画もことしで九年目に入り、いよいよ期間も残りわずかとなりました。
 そこで、まずは現行の第三次整備計画の進捗状況について知事にお伺いいたします。
 幸い 明日香村 におきましては、三次にわたる整備計画の推進により、生活基盤の整備を中心に多くの施策が展開され、順調に成果を上げてまいりました。しかし、近年は人口の減少、少子・高齢化の進行、また、農業従事者の減少や高齢化などによる農林業の衰退、耕作放棄地の増大など、 明日香村 の地域活力が大きく減退しているという現状もあります。
 このような状況の中で、間もなく第三次整備計画が終了時期を迎えるわけですが、すばらしい日本の心のふるさと 明日香村 の実現のために、県にはぜひとも平成22年度を開始とする第四次 明日香村 整備計画の策定を望むところです。
 そこで、二点目として、次期整備計画策定に向けた県の取り組みについてお伺いをいたします。
 次に、岩城議員の代表質問でも触れられていました 明日香村 にあります県立万葉文化館について、私からも質問させていただきます。
 奈良県には、三つの世界遺産をはじめ、国宝・重要文化財など、本物の歴史文化や自然景観など、数多くの観光資源があります。特に言葉の文化遺産と言われる万葉集については、本県の誇れる文化の一つであり、そこに歌われた歌の故地が本県には数多く存在しています。このような本県の特性を生かし、文化・観光の振興を推進するため、平成十三年九月、 明日香村 村内に万葉文化館を開館、以来さまざまな切り口による展覧会の開催や万葉文化に関する講演会、イベントなどを実施し、万葉文化館への観光客などの誘致を推進されるとともに、地域活性化にも努めてこられたところであります。
 去る三月には総入館者数が80万人を突破したと聞きました。そして、くしくも平城遷都1300年祭が開催される2010年には、この万葉文化館も入館者数を百万人を超すものと見込まれます。この万葉文化館は、 明日香村 のみならず、中南和地域の活性化を図るために不可欠な施設であるとの認識を新たにしているところであります。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 荒井知事は、本年度、万葉文化館のカフェを食事ができるカフェレストランにリニューアルするなど、新たな着眼により入館者増に向けた取り組みをしてこられましたが、今後、万葉文化館の入館者数をさらに増加させるため、どのような取り組みをなされるのかお聞きいたします。
2.歳入の確保について

続いて、私の県政報告会で取り上げた項目の中から、県税の歳入の確保の取り組みについて伺います。
 県が公表された平成19年度一般会計決算の概要を見ますと、現在の県財政が極めて厳しい状況にあることがよくわかります。収支不足を財政調整基金と県債管理基金の取り崩しなどにより補てんをして、辛うじて赤字を回避しているものの、その基金の残高は年々減少し、一方、今後償還していかなければならない県債の残高は着実に増加している状況であります。これに対応し、今後、持続的な財政運営を確保するためには歳出の見直しとともに歳入の確保が重要な課題であります。
 県が公表された和銅元年の発願の行財政改革の分野を見ますと、法人二税、地方消費税にかかる県民一人当たりの税収は全国的にも下位にあり、これらの税目をはじめ県税収入が乏しいことから、自主財源の割合が低く、財政力が弱い構造になっています。
 国においては、地域間の税収格差を是正するため、平成20年度の税制改正で法人事業税の税率引き下げを行う一方、地方法人特別税を創設し、それに相当する額を地方法人特別譲与税として人口、従業者数で案分して各都道府県に譲与する措置や、寄附と税控除を組み合わせた、いわゆるふるさと納税を新たに制度化されたところです。県におかれましては、昨年度から地方法人課税の見直しに係る全国知事会への働きかけ、今年度に創設されたふるさと納税に係る県独自の仕組みづくりや寄附の呼びかけなど、先頭に立って取り組んでいただいているところであり、心強く感じているところであります。
 このように制度面での改正が行われてきておりますが、同時に各都道府県における税収確保に向けた取り組みの強化が今後より一層重要になってくるものと考えています。特に平成19年から国の所得税から地方の住民税におよそ三兆円の税源移譲が実施され、本県の平成19年度一般会計決算の概要によりますと、県税収入総額約1328億円のうち219億円近くが税源移譲による増収となっています。しかしながら、滞納総額に占める住民税の割合はもともと高く、今回の税源移譲に伴い、これまで以上に税収確保に向けた取り組みの強化が求められているものと考えています。
 そこで、総務部長にお尋ねします。
 住民税は、個人の市町村民税と県民税の二つの税を合わせて市町村で一括して課税と徴収の事務をされていると聞いておりますが、市町村での徴収がうまく進まなければ、市町村はもちろん県にとっても収入減となり、財政的に大きな痛手となります。こうしたことから、県として住民税の税収確保対策としてどのような取り組みを進めておられるのでしょうか。市町村支援の面からお聞かせ願います。
3.配置薬業の振興について

次に、配置薬業の振興について伺います。
 少子・高齢化の進展による社会構造の急激な変化や国民の生活全般に関する安全・安心への関心の高まりなどを背景に、医薬品の有効性や安全性の確保についても、従来に増して重要な課題となっております。医薬品産業は、生命に密接に関連した産業であり、奈良県では薬の原料となる良質な生薬が古くから生産されたことに伴い、高市郡、御所、 橿原市 を中心に配置販売という形態で発展してきた伝統地場産業であります。そして、全国津々浦々まで届く置き薬、奈良のくすりとして国民の保健衛生の向上に寄与しているところであります。
 そのような状況の中、国は、国民の保健衛生の向上を図るため、薬事法改正を行ってまいりました。平成十七年にはグローバル化の流れから、医薬品などの品質保証を強化するため、薬の開発から市販後の品質確保や副作用情報の収集等を行う製造販売業という業種を新たに設置いたしました。また、今年度は規制緩和の流れから、薬剤師にかわり薬を販売できる登録販売者の試験制度が、さらに来年度からは、その薬剤師と登録販売者を軸とした新たな医薬品販売制度がスタートすると聞いております。このたび重なる薬事法の改正は、大手企業に主眼を置いた改正であり、中小企業にとっては資金面や技術面での負担ばかりでなく、新たな業者が異業種から参入してくる店舗販売業との競争の激化なども想定され、今後、配置薬業を続けていく上でますます向かい風となっています。
 そこで、伝統ある配置薬を国民に今後も安心して使用していただけるよう、配置薬業の振興が必要と考えますが、県はどのような施策をお考えか、健康安全局長にお伺いいたします。
4.高取城跡の整備について

最後に、高取城跡の整備についてお尋ねいたします。
 司馬遼太郎が、その著書街道をゆくの中で、高取城跡をこのように書き記しています。「高取城は、石垣しか残っていないのが、かえって蒼古としていていい。登るに従って、横合いから石塁があらわれ、さらに登れば正面に大石塁があらわれるといったぐあいで、まことに重畳としている。」と。別名芙蓉城と呼ばれたゆえんでもあります。
 国史跡にも指定された日本一の山城・高取城は、美濃岩村城、備中松山城と並ぶ日本三大山城であり、かつ財団法人日本城郭協会が選んだ日本百名城の一つにも数えられています。まさに我が郷土が全国に誇る名城であります。
 この名城を観光資源として活用しようと、地元においても観光協会や観光ボランティア団体などが活発に活動をされています。高取ボランティアガイドの会が開設するホームページを開きますと、高取城跡散策コースが紹介されています。土佐街道を通り抜け、大手筋へ。黒門跡から二の門跡を通り、国見櫓跡、三の丸跡、二の丸跡を通過して、本丸跡から天守閣跡へというコースが紹介されています。
 先日の連休中に、私は時間をつくって実際に歩いてみました。高低差390メートル。ハイキングというよりむしろ登山に近いコース設定でありました。ほぼ山を登り切った国見櫓跡から見る大和盆地は、まさに絶景、大パノラマでした。このあたりに展望台があれば最高。 高取町 の魅力だけでなく大和盆地のすばらしい景観がPRできるスポットだなあとも考えたところであります。
 さて、高取城跡については、平成18年度以来五カ年の予定で整備が進められています。残念ながら展望台の設置はまだ実現していませんが、石垣や園路の補修等、安全面を優先した整備を実施していただいているようであります。一方、地元 高取町 においても、町みずからが高取城跡の保存管理計画を策定するなど、地域の貴重な資源を地元で管理すべく、積極的な取り組みをしてきたところであります。今後は、例えば展望台の設置など、史跡を観光に役立てるような仕掛けづくりも必要になってくると考えるところであります。
 そこで、教育長にお尋ねをいたします。
 県が現在進めている高取城跡整備五カ年計画の進捗状況と今後の整備予定についてお聞かせください。
 壇上からの質問を終わらせていただきます。

《答弁》

     知事(荒井正吾)
十二番山本議員のご質問にお答えさせていただきます。

 第三次 明日香村 整備計画のご質問と万葉文化館のご質問でございます。
 第三次 明日香村 整備計画は、平成12年度に策定しております。住民の理解と協力のもとに、 明日香村 が有する貴重な歴史的風土を後世に伝えるために、歴史文化施設等の整備や道路整備など、県事業と村事業を合わせて総事業費331億円余を計上している計画でございます。
 現在、計画は9年目を迎えました。この間、県事業におきましては、万葉文化館の整備や県道の整備、平田川等の河川改修を完了しております。また、村事業では、ごみ焼却施設や観光拠点施設明日香夢市を整備いたしました。ご質問の進捗でございますが、平成19年度までの実績でありますと四二・九%でございまして、第一次・第二次整備計画の実績と比較してやや低い状況にございます。これは埋蔵文化財の発掘に時間を要していることや、村の財政状況の悪化等が主な要因と考えられております。引き続き、国、県、村の三者の連携を密にして、残事業の着実な推進に努めていきたいと思います。
 また、文化財の発掘と活用などの残された課題や社会情勢の変化、例えば建築材の多様化による集落景観の不統一など、新たな課題も生じてきているところでございます。そのような課題を十分勘案しながら、次期整備計画を策定し、引き続き 明日香村 の整備に取り組みたいと考えておるところでございます。
 次期計画策定に向けて、今年度は、 明日香村 と共同で住民意識調査等を実施したいと考えておりますし、有識者や専門家からも幅広くご意見をいただく予定にしております。特に 明日香村 が自立し、村民が地域に誇りを持って生き生きと暮らしていくために何が必要なのかというようなことを、また、 明日香村 振興のために具体的に何をなすべきかということにつきまして、住民や有識者等の意見を参考に次期整備計画の方向性や事業の具体的内容について検討を進めていきたいと考えております。
 また、近々、国においても社会資本整備審議会というのがございますが、その中で 明日香村 小委員会というのがございます。私もその委員になるようにご要請を受けておりますが、今後の 明日香村 の方向性等について議論が開始されることになります。県としても 明日香村 の活性化のために当小委員会で積極的に意見を述べていきたいと思います。国と村と十分協力・連携する必要がございますが、県といたしましても、次期 明日香村 整備計画の策定に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 万葉文化館の取り組みについてのご質問がございました。
 万葉文化館は、本県の環境からいたしますと、万葉集ゆかりの歴史的風土や自然景観が県内各地に現存しているという県内の特徴から、万葉文化館は、この本県が自負しております万葉集に関する総合文化施設として設立されましたところでございます。これまでの運営努力、工夫によりまして、一時減少いたしました入館者数も、平成18年、19年度には年間10万人を超えております。県内外から多くの方にお越しをいただいております。今、議員がご指摘になりましたカフェのレストラン化、あるいは有料入館者の駐車料無料化を本年度は実施いたしまして、これについては入館者から大変好評をいただいていると聞いております。
 このほかの集客増の取り組みとして、今までしておりますのは、旅行会社や学校等への誘致活動や、カルチャーセンター等の連携講座、あるいは庭園の野外ステージを活用したイベントの開催などを実施してきております。さらに、2010年を迎えまして、平城遷都1300年事業の一環として、日本画家の平山郁夫氏の特別展や平成万葉千人一首・完成イベントなど、集客力のある奈良にゆかりのある魅力的な展覧会・イベントを計画しております。
 また、万葉文化館は、中南和地域における文化観光活動の拠点としての役割を果たすべきと考えております。そのための機能強化が必要と認識しております。中南和地域に観光目的で訪問される方、特に観光バスや自家用車で訪れられる方々は、まず万葉文化館を目指すようになる観光のシステム化・体系化が図られればとも考えております。そのため、同地域の市町村とも連携して、万葉文化館における地域の観光情報の提供・発信や、万葉文化館を基点とした周遊観光ルートづくり等に積極的に取り組みたいと考えております。県に観光連盟というのがございますが、万葉文化館を組み込んだ旅行商品の開発をするようにも指示しております。全国からさらに多くの方々にお越しいただける魅力的な施設にぜひしたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

     総務部長(窪田修)
十二番山本議員のご質問にお答えいたします。

 住民税の税収確保対策について、市町村支援の面からのお尋ねでございます。
 これまで、税収確保のため、平成14年度から税務職員を市町村に派遣し、また、平成18年度から処理困難な事案について、市町村の徴収権を県が引き継ぎ、直接徴収を実施するなど、市町村との連携を図ってまいっております。また、今年度から市町村税税収強化推進会議を設置し、市町村横断的な滞納整理組織の設置等について検討を進めておるところでございます。
 さらに、今年度からは、異なる時期に実施しておりました県税及び市町村税の徴収強化月間を統合し、新たに市町村税・県税の一斉滞納整理強化期間として、不動産公売などの徴収強化、滞納整理の取り組みを集中的に実施する予定でございます。
 これらに加え、来年度からは新たな徴収強化策として、県職員と市町村職員の相互併任による滞納整理チームを編成し、市町村に派遣するという取り組みを導入すべく検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

     健康安全局長(竹村潔)
十二番山本議員のご質問にお答えいたします。

 私に対しましては、配置薬業の振興についてのご質問でございます。
 本県の医薬品産業につきましては、伝統ある重要な地場産業と認識しておりまして、これまで製造・販売の両面にわたって支援してまいりました。例えば、製造につきましては、奈良ブランド医薬品天平宝漢を産官学で共同開発し、平成18年から販売を開始しますとともに、県薬事研究センターが製薬企業の製品開発を受託・共同研究し、技術的な面の支援を行っております。また、個々の小規模企業では実施が困難な医薬品の原料試験を、奈良県製薬工業組合の医薬品開発試験研究所で集約して実施できるよう補助を行っております。
 また、販売につきましては、薬と健康の週間のイベントやホームページなどにおきまして、奈良のくすりの広報宣伝を行うとともに、来年度から消費者への薬に関する情報提供や相談対応が義務づけられ、配置薬の販売員にも適用されることから、奈良県家庭薬配置商業協同組合が行います資質向上・後継者育成のための研修に補助を行っております。
 今後も引き続き、奈良ブランド医薬品の開発や、奈良のくすりの広報宣伝に努めますとともに、平成18年度から開催しております製造並びに販売業者を交えた中期活性化戦略会議の中で、製薬企業等が直面しております問題点を横断的に協議し、今後の薬業界の振興に向けた方策を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

     教育長(冨岡將人)
十二番山本議員のご質問にお答えいたします。

 私には、高取城跡の整備について、整備五カ年計画の進捗状況と今後の整備予定ということでございます。
  高取町 におきましては、平成12年度に史跡高取城跡及び周辺地域整備基本構想を、平成17年度に史跡高取城跡保存管理計画を策定されるなど、かねてから高取城跡の保存活用に積極的に取り組まれておられます。さらに、地元ボランティア団体を中心に、たかとり城まつりなどのイベントを実施したり、また、清掃活動を定期的に実施するなど、地域の資源として積極的に管理・活用いただいているところでございます。
 こうした地元の取り組みを踏まえまして、県としましては、高取城跡については、平成18年度から22年度までの五カ年の整備事業を実施しております。整備後は、県から 高取町 に管理を移管し、地元の貴重な歴史文化資源、観光資源として今まで以上に積極的に活用いただけるものと期待しておるところでございます。
 この整備の基本的な考え方は、高取城は山城であると。したがって、県が行う事業は、矢場門石垣の整備や本丸の伐木など、既存施設の修復や危険箇所の整備改修等の山城の性格や野性的な魅力を損なわないような事業としているところであります。これまでのところ順調に進捗しており、今後も引き続き地元と協議をしながら、見学路の補修や危険箇所の改修などの事業を着実に進めてまいる所存でございます。
 以上です。

《再質問》

 明日香法ですけれども、明日香法にまつわる 明日香村 特別整備計画、国の方は 明日香村 だけが特別じゃないよという感覚が、今、若い官僚たちにもあると聞いております。日本の心のふるさとといっても、また、日本の中で一番重要な箇所だと、都発祥の地だとかいっても、なかなか昭和55年度当時の官僚の思いと、また、政治家の思いが明日香に向けられているというのが、だんだん薄れているというのが現状で、この文化財の発掘だとかというんじゃなしに、整備がおくれている一つの要因でもあるのかなと。その証拠に、議員連盟というのがありますけれども、当初は佐藤栄作さん、橋本登美三郎さん、そして竹下登さんというような方々が議員連盟の会長をされていましたけれども、この時期に綿貫さんがもう自民党から出られたと。野呂田芳成さんはもう政界から引退されるということで、その議員連盟も弱体化していると。そういう意味で、いよいよこれから再スタート、第四次に整備を進めていく上で、ぜひ明日香の村長さん、また知事さんと連携をとっていただきまして、議員連盟の確立を図っていただきたい。例えば、会長さんに知事と大変懇意である古賀さんなども一つの視野に入れていただきたいというような思いもあります。これは私の私見でございます。そして、そのところでひとつ要望だけをさせておいていただきたいと。
 万葉文化館について、知事に改めてひとつ思いだけをお伺いさせていただいたらなと。柿本知事は、関西の憩いのオアシスということで、その万葉文化館を奈良県の観光の発信基地としてというか、万葉に対する思いを込めてあの施設をつくられました。今、少し若干入館者数は減ったけれども、18年度、19年度は10万人を超すようになってきたと。荒井知事は、あそこでは食事はしないという前知事の方針からカフェをつくられて、やはり軽食などもしたほうがいいと。駐車場もかたくなに村との関係があったりとかということで、私も含めてほかの議員さんも駐車場をただにしたらというようなことを言っておられたけれども、なかなかできなかったが、今、知事さんは、入館者、入場者のチケットを買った人にはただで駐車場をするという大きな方向転換をしていただいた。
 その万葉文化館、きのうも奥山議員が言われたように、ほかの施設と同様に、やはり県内の子どもたち、小学生、中学生が、こぞってやはりそういうところへ来るというポピュラー化をしていくという。それで、万葉にこだわった、確かに百数十億ですか、そういうような50人の方々の画家の人たちがかいた、それにまつわって格調高い美術館として今は運営されていると思うんですけれども、あの万葉の庭園も十数億かけましたけれども、なかなか弁当も食べられなかったけども、今は野外で食べられるようになっているというようなところで、かなり方向転換されていますけれども、それに対する知事の改めて何か関西の憩いのオアシスにかわる言葉も含めて、万葉文化館に対する今後の知事の思い、国会議員として、あそこでの開館当時は、平成13年度おられたわけですけれども、知事になってあれをどのように本当に思いを込めて活用していっていただけるのか、明日香へ来たら、奈良県の中南和へ来たら、必ずあそこへまずは立ち寄るというようなことで一つ思いがあるわけですけれども、それについて所見をお伺いをさせていただきたいと。
 残りの質問の二番、三番は、また予算委員会などでさせていただきますけれども、最後に、高取城跡についてだけ一つ要望をさせておいていただきたいと。
 高取城跡、実は節目節目といいますか、平成11年度に初当選をさせていただきました。当時、ここで前の県会議員さんは、自分の家のことを質問もなかなかできないから、私がかわってしますというようなことで、したのを覚えて、平成16年、18年、3回させていただいて、まだ4回目なんですけれども、くしくも4回目のこの質問は、その当時の方であったかわりに代弁をさせていただいた方なんですけれども、その代弁の相手が町長になって、今度はその町長からこの高取城跡を何とかしてくれと頼まれたという妙な因縁がございまして質問をしたわけですけれども、何とかこの高取城跡、これをひとつ中南和の万葉文化館とともに、日本一の山城ですので、地元の人の思いも込めて、そこを一つの展望台としてはすばらしいところですので、何とかこの五カ年で一つの結果を出していただきまして、町に移管するときは、ただ移管して管理だけ頼むでと、あとはそっちでお金も含めて事業費も含めて頼むでというんじゃなしに、県もしっかりと財政の面でかかわってあげていただいて、ひとつ町とともに一緒になってあの 高取町 を活性化してあげていただきたいなということを切に要望いたしまして、 高取町 長の代弁といたしまして終わらせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

《再答弁》

     知事(荒井正吾) 明日香法についてのご要望ということでございますが、明日香法の将来についての認識は、大変共有、同じような思いを持っておりますので、今後、政治的なバックアップということもあると思いますが、関村長といろいろご相談しながら引き続きのバックアップ支援体制を維持してもらうようなことを考えていきたいと思っております。
 また、万葉文化館のあり方でございますが、あまり県政の方向をやたらむやみに変えちゃいけないということはあろうかと思いますが、百億以上かけた建物、箱物投資でございますと、立派な三百室もあるホテルを百億もあれば建てられるわけでございますが、それは多少関係ございませんが、あの位置であの立派な格調高い建物でございます。それと万葉集という大きな素材を持っております。南和の観光の実態を見てみますと、やはり広いところに文化財が点在していると。どこかに目標を決めて行って、そこに行けばその地域をどのように見ていくかわかるというゲートウェイの場所が必要かと思います。橿原のホテルなり、そういう案内所ということもあろうかと思いますが、万葉文化館も一つの候補になる拠点だと思いますが、観光とかいろいろ動き回る、特に南和は観光バスとか自家用車に適した、あるいは来られた方が自転車とかで回られるのに適した地域でございますので、気楽な格好をして、また着替えて周りを回られると。その回られる間に、数時間回るとおなかもすいたり汗もかいたりするわけでございますので、それをどこでするのかということを地域は用意しなきゃいけないというふうに思いますが、万葉文化館及びその周りの施設をいろいろそろえることによって、あのあたりが非常に行きやすい地域になるというふうにできると思っております。行きやすい地域に整備をするということと、それをもとに商品をつくるということは並行してできるわけでございますが、その商品は、この関西とか奈良だけじゃなしに、相当広く魅力を感じていただける素材があろうかと思います。日本全国あるいは海外にも魅力を感じていただける素材があろうかと思いますので、それをどのように感じてお客さんが来てもらうかというのは、多少知恵と投資が要るかと思いますが、大変有意義な事業だと感じておりますので、担当課にそのようなことを指示しているところでございます。また、いろいろご指導、ご指摘もいただきながら、万葉文化館の活用、あるいは発展を考えていきたいというふうに思います。

 


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