定例議会

一般質問

平成21年2月一般質問

1、飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群の世界遺産登録に向けた取り組みについてお尋ねをいたします。
 この質問は、一般質問の初日に森山議員が同じ題目で質問をされましたけれども、その内容は森山議員とは少し違った観点から、今の取り組み、今後の取り組みなどについてお尋ねをしたいと思います。
 飛鳥・藤原は県及び明日香村、桜井市、橿原市の共同提案により、平成19年1月に世界遺産の暫定一覧表に記載されました。この提案の際にも、私は本会議にて世界遺産登録の意義等について質問いたしましたが、それから二年がたち、その間、平泉の登録延期など、世界遺産をめぐる状況が大きく変化している中で、改めて登録推進に当たる県の考えを伺うものです。
 飛鳥・藤原等の遺跡群は、律令制による古代国家形成の記録であり、いわゆる飛鳥時代に日本という国号や天皇という称号が生まれたと言われるなど、飛鳥・藤原はまさに日本という国家の始まりであると考えられています。また、この時代は、東アジア諸国との間で、我が国の歴史上類を見ない豊かな交流が行われ、これにより我が国古代の文明開化と呼ぶべき文化の高揚がもたらされました。
 そして、これらは現在の我々の精神文化や生活様式にも多大な影響を与えています。私は飛鳥板蓋宮跡に立つとき、進取の気概に満ちた飛鳥人に思いをはせ、この地がかつて宮都として政治の中心であり、大化の改新など古代政治の大きな変革の舞台であることに誇りを感じるものです。
 世界遺産とは、国家の域を越えて貴重な全人類の共通の財産であるものを言います。したがって、世界遺産登録に至るには、飛鳥・藤原等を世界の貴重な財産としてしっかり価値づけることが必要であるとともに、地域住民はもとより、国内外のできるだけ多くの人々にその価値を認知してもらうことが不可欠でありましょう。飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群の世界遺産登録は、中南和地域の活性化の観点からも期待が大きいものです。新規登録のハードルがますます高くなる中で、地域がさらに熱意を持って取り組み、県もより積極的な施策を展開していくことが求められています。
 そこで、県として、今後どのように登録を推進していかれるのか、荒井知事にその考えについてお伺いいたします。
2、少子化対策についてお伺いします。
 皆様ご承知のとおり、我が国では少子化がどんどん進行しています。1970年代半ば以降、30年間にわたって出生率、出生数がともに低下し、平成17年には総人口が減少に転ずる人口減少社会が到来するとともに、出生数は106万人、女性が一生の間に産む子どもの数とされる合計特殊出生率は1.26と、いずれも過去最低を記録しました。平成19年には少し持ち直し人口、1.34と反転の兆しがうかがえますが、残念なことに本県は1.22で全国ワースト4位という厳しい状況であります。
 国立社会保障・人口問題研究所の日本の将来推計人口によりますと、50年後の2055年には、合計特殊出生率は1.26、総人口は約9千万人、出生数は50万人を下回り、高齢化率は40%に達するという大変厳しい見通しが示されています。今やこの少子化に歯どめをかけるべく、有効な手だてを講じることが急務となっています。そのためには、国民の結婚や出産に関する希望が実現するのに何が必要であるかということに焦点を当てて、効果的な対策を再構築し、これを実行していく必要があります。
 こうした中、国におきましては、平成19年12月、子どもと家族を応援する日本、重点戦略を取りまとめ、働き方の改革による仕事と生活の調和の推進、ワークライフバランスと、多様な働き方に対応した保育サービス等の子育てを支える社会基盤の整備を、車の両輪として取り組むこととされています。例えば子育て支援に取り組む中小企業に対する助成金制度や、新待機児童ゼロ作戦による安心こども基金の創設など、いろいろな施策が展開されているところです。
 さらに、政府はこの1月、小渕少子化担当大臣のもとに、ゼロから考える少子化対策プロジェクトチームを立ち上げ、子育て世代の当事者・利用者の視点から、既存の枠にとらわれることなく議論し、新しい少子化社会対策大綱を作成すると発表、2月10日には、恋愛・結婚をテーマに第一回会合が持たれました。国民一人ひとりが少子化問題を自分の課題として認識すること、そして、少子化の最大の要因が未婚化・晩婚化・非婚化であることから、結婚に結びつくような男女の出会いや、若者の生活基盤の確保対策が何よりも大事であると私は思います。
 一方、県におかれましては、新結婚ワクワクこどもすくすくプランに掲げた、結婚や子どもに夢や希望を持てる社会を実現すべく、さまざまな先進的な施策に取り組んでおられます。中でも、新プランの目玉事業であるなら結婚応援団事業、これは結婚を希望する独身男女に出会いの機会を提供する事業ですが、三年余りが経過した今も大変な人気を博していると聞き及んでおります。また、マスコミをはじめ多方面から注目を浴び、奈良県モデルが全国に広がりを見せているとも伺っております。
 そこで、高木こども家庭局長にお伺いします。なら結婚応援団事業のこれまでの成果と、今後の事業展開について、どのように考えておられるのか、お伺いします。
3、食生活の改善を通じた健康づくりについて、健康安全局長にお尋ねします。
 現在、奈良県においては、県民百40万人の健康づくりを推進するため、地域医療等対策協議会に健康長寿部会を設置し、熱心に協議・検討されていると聞いています。県民一人ひとりががんをはじめとする生活習慣病を予防し、幾つになっても健康で生き生きと生活するためには、運動と並んで栄養、食生活が大切です。奈良県民の食生活は全国平均に比べて脂肪エネルギーの摂取比率が高く、野菜の摂取量が少ないという課題があると聞いています。また、朝食をとらない子どもが多いことも指摘されています。
 こうした不健康な食生活を改善するためには、栄養士の皆さんの活動が重要です。県栄養士会では、約七百名の方が会員として行政、病院、福祉施設、学校などの幅広い分野で活躍されています。また、栄養士さんの中には、地域においてフリーで活動されている方もおられます。栄養士は、栄養をどのように正しく摂取していくかのアドバイスをする栄養のスペシャリストであり、子どもから高齢者まで、食生活に関して適切な指導や啓発を行う専門家であります。栄養士会では、健康づくりを進めていく上で、栄養支援の拠点となる栄養ケアステーションならを今年度橿原市に設立されるとともに、県民を対象とした各種の講座の開催や講師の派遣、市町村や県内事業所のサポートなどの活動をされています。奈良県民の食生活の改善を進めるためには、奈良県栄養士会と協力し、地域に密着した県民一人ひとりに対するきめの細かい施策・事業を推進することが必要ではないでしょうか。
 そこで、竹村健康安全局長に、県民の健康づくりのため、食生活の改善にどのように取り組んでおられるのか、また、奈良県栄養士会との連携・協働についてどのように考えておられるかお伺いします。
4、奈良県希少野生動植物の保護に関する条例について伺います。
 我が国では昨年6月に生物多様性基本法が施行されるとともに、来年10月には愛知県名古屋市において、第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)の開催が決定されているなど、自然と共生する社会の実現を目指すために、生物多様性を保全することへの関心が高まっています。
 一方、県が昨年度までに発刊した奈良県版レッドデータブックによると、県内で確認された約九千種の野生動植物のうち、約12%に当たる1115種が希少な野性動植物であるとされています。例えば秋の七草の一つとして有名なフジバカマは園芸種以外既に絶滅したと言われています。また、キキョウ、ササユリ、オオクワガタ、ゲンゴロウ、ニホンイシガメ、あるいはメダカなど、かつては私たちの身近な自然環境で普通に目にすることのできた植物や昆虫など、多くの野生動植物が今や希少な野性動植物に選定されています。
 ご存じのとおり、本県には法隆寺地域の仏教建造物、古都奈良の文化財、紀伊山地の霊場と参詣道という三つの世界遺産が登録されていますが、これら世界に誇る貴重な文化財は、法隆寺周辺の美しい田園や、原生的な状態を維持している春日山原始林、山岳景観が印象深い大峯奥駈道沿いの森林などの多様な自然環境と一体になって形成され、評価されたものです。
 このように、良好な自然環境は私たちの心に潤いと安らぎを与え、とりわけその重要な構成要素である多様な野生動植物は、本県の貴重な財産であります。これらをよりよい状態で子や孫に引き継ぐことは、現在、本県に住む私たちの責務であると考えます。
 こうした中、県ではこの二月議会に奈良県希少野生動植物の保護に関する条例を上程しておられます。この条例の目指すところは何か、また、来年度、希少野生動植物の保護のため、どのようなことに取り組まれる予定なのか、松永景観環境局長にお伺いをいたします。
5、犯罪被害者に対する支援について、くらし創造部長と県警本部長にお伺いします。
 先日、犯罪被害者を支援するため、県内の企業や団体が犯罪被害者支援企業等連絡協議会を設立した記事が掲載されていました。犯罪被害者は何の落ち度もなく被害に遭い、それが原因で仕事に集中できなくなったり、あるいは通院や裁判所への出廷で欠勤がふえたりして職場内で孤立する場合もあります。こうした被害者をサポートするために、本連絡協議会が設立されたものであり、非常に斬新な取り組みであると思うところであります。また、昨年11月に開かれた犯罪被害者支援奈良県民のつどいにおいて、長野県で発生した松本サリン事件の被害者である河野さんが被害者支援に望むことと題して講演され、マスコミから犯人扱いされ、連日無言電話に悩まされて受けた精神的ダメージ、妻、澄子さんの治療費、子どもの教育、そして、何よりも暮らしを維持していくことすら困難な環境に置かれていた当時の苦悩の日々を振り返りならが、長野市や職場、周囲の人々の支援があったからこそ今日があると犯罪被害者への支援の重要性を訴えておられました。身近に犯罪の被害に遭わない限り、被害者の気持ちを察することはできませんが、この二つの取り組みから、犯罪被害者の境遇の一片をうかがい知ることができ、被害者への支援の必要性を痛感しております。
 欧米諸国は、国の支援制度と民間団体の支援活動とがうまくかみ合って、きめ細かな被害者支援活動が行われており、これに比べて我が国の被害者支援は30年以上おくれていると言われていましたが、平成16年に犯罪被害者等基本法が成立し、最近になって被害者に見舞金として支給する犯罪被害者給付金が大幅に増額されました。また、被害者が裁判に参加できる制度や、刑事裁判の手続を損害賠償請求にも活用する制度等が始まるなど、国の被害者支援制度も拡充してきております。そして、平成10年ごろから始まった民間ボランティアによる犯罪被害者支援組織も、今では全国で設立され、我が奈良県でも、なら犯罪被害者支援センターが電話相談や病院への付き添いなどの支援活動を無報酬で展開するなど、その活動に大きな期待が寄せられております。
 突然降りかかってきた犯罪に遭った人が、もとの平穏な生活を取り戻すことはしごく当然の権利であり、こうした国の施策や民間ボランティア活動とも相まって、今日、被害者の権利回復に向けた支援活動が社会的関心を集めている状況にあります。
 先ほど申し上げた犯罪被害者等基本法の第五条には、地方公共団体の責務として、犯罪被害者等の支援などに関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有すると規定されており、ほかにも民間支援団体に対する支援援助についても規定されています。
 そこで、県におかれましても犯罪被害者支援の必要性は十分ご理解していただいていることと思いますが、なら犯罪被害者支援センターとの連携状況も含め、犯罪被害者に対して現在どのような支援を行っているのか、また、今後、どのような取り組みを行う予定であるのか、松永くらし創造部長に伺います。
 一方、犯罪捜査に従事する県警察にあっては、当然被疑者の人権に配意する必要があると思いますが、何の落ち度もなく被害に遭った被害者への配意も忘れてはならないと考えます。
 そこで、県警察として、こうした被害者に対してどのような支援を行っているのか、森田県警本部長に伺います。
 
 《答弁》
1、知事(荒井正吾)飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群の世界遺産登録の動きについてのご質問がございました。
 議員ご指摘のありましたように、飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群は、日本の古代国家における政治、社会、文化、宗教等が成り立ったところでございます。今日の日本国家の基本的枠組みとして存続し、残っている事情もございます。さらに、東アジア諸国、特に中国の随と、また韓国の百済、新羅、高句麗等との技術、文化等の交流が十分あったということが文化財の中で如実に残っておる、文化的価値の極めて高い貴重な財産を持っている地域でございます。
 県におきましては、これまで関係市村とともに登録推進協議会を立ち上げてまいりました。学識者による専門員会での学術的課題の検証や、地域住民、NPOによるサポート会議などを通じて、地元の機運醸成と関係方面への訴えることに尽力をしてきたものでございます。
 一方、これも議員ご指摘がありましたが、世界遺産登録をめぐる状況につきましては、昨年の平泉の登録延期に見られるように、世界遺産の登録件数が878件と増加したことにより、管理可能な規模とするため、新規の登録を極力抑制するユネスコの政策がとられており、登録の審査が厳しさを増し、客観的情勢としては予断を許さない状況にあるわけでございます。
 話が多少変わりますが、現在、国土交通省社会資本整備審議会で、明日香村小委員会というのがございます。私も先日、最近の会議に参加いたしました。22年度からの10年間にわたる明日香地域の保存、活用のあり方について議論が始まっております。飛鳥・藤原はほかの地域に例のない、また、ほかの世界遺産に比べて類似が少ない、地下に依存する考古学的遺跡を主体に構成されておりますので、視覚的にその価値が理解しづらい資産でございますし、また、古代の歴史というのが検証すべき価値でございますが、今では実証が困難な素材によって基本的に成り立っている面がございます。そのため、古墳の調査や、中国、韓国に残された同時期の文化財との比較検証など、学術的課題のさらなる調査、検証に取り組むことが必要だというふうに思います。さらに、その価値や特質について、広く国内外の人々に周知し、理解を得るということも重要な要素であると思います。そのような努力を継続的に重ねて、世界遺産登録機運を継続的に醸成していく必要があるというふうに思っております。
 平成21年度予算に計上させていただいておりますが、これまでの取り組みに加えまして幾つかの項目が入っております。例えば海外のイコモス関係者等招いた国際シンポジウムを開催するということや、飛鳥・藤原を紹介するDVDの作成、あるいは6月にスペインで行われます世界遺産委員会への参加などを予算計上させていただきまして、飛鳥・藤原という価値を積極的に発信し、また、その価値を我々自身がもう少し深く認識できるような努力を重ねたいと思っております。
 今後とも関係市村と十分連携し、地域住民の理解と協力、また、関係者の支援、参加も得まして、できるだけ早期の世界遺産登録を目指して引き続き尽力していきたいというふうに思っております。
2、こども家庭局長(高木三起子)なら結婚応援団事業につきまして、これまでの成果と事業展開についてのお尋ねでございます。
 ストップ少子化を図る上で幅広い取り組みが必要と考えますが、結婚や子育てを社会全体で応援するため、結婚ワクワクこどもすくすく県民会議のもとに設置いたしました、なら結婚応援団等によります取り組みの一層の充実を図っているところでございます。
 なら結婚応援団は、結婚の意思はあるものの、出会いの機会が少ないという独身男女の方々に、出会いの場となるイベントを実施していただく企業、店舗、NPO等を募り、その情報をメルマガ等により配信する事業でございます。平成21年2月末現在、団員はホテル、旅行業者、レストラン等60団体で、メルマガの登録者も6932名となっております。平成17年7月から開始していただきました出会いイベントも983回を数え、延べ28929名の方に参加を得たところでございます。
 これまでの事業の成果でございますが、この事業は安心して気軽に参加できるという声を、参加者だけでなく、保護者の方からもいただき、多くの方に出会いの場を提供できたこと、さらに、そのうち約三割弱の方がその場でカップルとなり交際をスタートさせ、現在、101組のカップルから結婚の報告が届いているところでございます。また、赤ちゃん誕生の報告も24件いただいているなどのことから、着実に成果があらわれつつあるのではと思っているところでございます。
 少子化を進行させている晩婚化・非婚化の要因といたしましては、ほかにも不安定就労・低収入の若者の増加や、結婚に対する価値観の相対的低下といった問題もございますが、昨年9月に実施いたしました独身者調査によりますと、県内の独身男女が結婚できない理由といたしましては、適当な相手にめぐり会わないからというのが圧倒的に多く、これは国の調査結果と全く同じであることが判明しております。このことから、今後とも出会いイベントの一層の健全性を担保するとともに、参加者や団員の新陳代謝を図るため登録制を導入するなど、なら結婚応援団事業のさらなる充実に努めることによりまして、結婚や子育てに夢や希望が持てる奈良県づくりに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
3、健康安全局長(竹村潔)県民の健康づくりのため、食生活の改善について県はどのように取り組んでいるのか、また、奈良県栄養士会との連絡・協働についてどのように考えているのかというご質問でございます。
 県民の健康づくりを推進するためには、運動とともに食生活の改善が重要であります。議員お述べのとおり、特に奈良県民の食生活において脂肪エネルギーの摂取比率が高く、野菜の摂取量が少ないという課題がありますことから、野菜をたっぷり摂取し、栄養バランスのよい食事を推進する必要があると考えております。
 このため、県では県民の健全な食生活の実践に向けて食育推進計画を策定し、食に関する施策を計画的に進めてきたところでございます。具体的な取り組みといたしましては、郷土料理や県産の食材を使った料理を紹介した奈良県版食事バランスガイドを作成し、普及・啓発を行ったり、飲食店などにおける栄養成分の表示や健康に配慮したヘルシーメニューの提供を推進しているところでございます。また、今年度はコンビニと協力し、奈良県産の食材を使った奈良のうまいもの弁当を売り出しておりまして、次年度は野菜をおいしくとれるよう県内の大学生を中心にベジタブルクラブを創設し、野菜たっぷりメニューをお弁当などに採用する予定としております。
 食生活の改善に関するこうした事業を効果的に推進するためには、家庭や学校、職場や地域などにおいて、県民への栄養や健康に関する知識の普及や啓発と栄養相談、実践に向けてのサポートが必要でありまして、そのためにも食の専門家である栄養士の方々の協力は必要不可欠でございます。このため、今後とも県民の健康的でバランスのとれた食生活の実現に向けて、県栄養士会と一層連携を密にし、協働して施策・事業に取り組んでまいる所存でございます。
4、くらし創造部長兼景観・環境局長(松永久典)希少野生動植物の保護についてでございます。奈良県希少野生動植物の保護に関する条例の目指すところ、また、21年度の取り組みについてのお尋ねでございます。
 本県は近畿最高峰の大峯山系を有し、また、北方系と南方系の動植物分布域が重なるなど、気候的、地理的に特色のある自然環境を有していることから、多様な野性動植物が生息・生育しております。これらの野性動植物は自然の摂理だけでなく、私たち人間の活動に伴う自然環境の改変などの影響のため、現在その多くが絶滅の危機に瀕しているところでございます。
 このことから、奈良県希少野生動植物の保護に関する条例を制定し、希少な野生動植物の保護を図ることにより、多様な野性動植物が生息・生育する生物多様性が確保された良好な自然環境の保全を目指すところであります。また、このような取り組みは、現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保にもつながるものでございます。
 この条例では、希少な野生動植物の中で特に保護を図る必要があるものを特定希少野生動植物に指定し、むやみな捕獲や採取の禁止をはじめ、生息地等を保全するための行為規制や、県民とともに保護活動を進める上で必要な情報共有・普及啓発などの施策を盛り込んでおります。希少野生動植物に影響を及ぼす外来種を防除するための施策、実効性を担保するための巡視員制度、罰則等についても規定しているところでございます。
 同条例の施行は22年4月1日を予定しております。21年度はまず保護施策に関する基本的な指針や施行規則を定めるとともに、特定希少野生動植物の指定等、条例を運用する上で必要な準備を行ってまいります。また、リーフレットの作成や配布、県のホームページや広報紙の活用、あるいは県内各地での説明会の開催等を通じて、幅広く県民等へ条例の内容を周知してまいります。
5、くらし創造部長兼景観・環境局長(松永久典)犯罪被害者への支援についてであります。
 なら犯罪被害者支援センターとの連携状況も含めた県の支援策と、今後の取り組みについてのお尋ねでございます。
 犯罪被害者やその家族は、直接的な被害だけでなく、その後の精神的負担や経済的負担等、さまざまな問題に直面されており、多岐にわたる支援が必要と認識をしております。このことから、県では平成19年4月より被害者等からの相談窓口を人権施策課に設置をしております。現時点で相談事例はありませんが、各機関への適切な橋渡しを含め、関係課、機関等との連携を図り、対応することにしております。このほか、DV等被害者をサポートする人材の育成、交通事故被害者等からの相談、高等学校交通遺児授業料免除補助、DV被害者の県営住宅の優先入居等に取り組んでいるところでございます。
 議員お述べのなら犯罪被害者支援センターとの連携につきましては、県と国・市町村、関係団体、NPO等との人権相談機関八十八機関で、なら人権相談ネットワークを立ち上げておりますが、その構成メンバーにも参画いただいておりまして、各機関の相談員等のスキルアップを図るため、犯罪被害者の人権と相談・支援についての講演をいただくなど、情報交換にも努めているところでございます。また、県から支援センターの顧問に就任し、連携を図るとともに、犯罪被害者支援奈良県民のつどいを県警・支援センターと共催で実施をさせていただきました。
 今後の取り組みといたしましては、被害者等の多様なニーズにこたえるため、新年度に関係機関・団体の支援内容や連絡先等をまとめた犯罪被害者支援ハンドブックを作成、関係機関・団体に配布いたしまして、活用いただくことにしております。
 今後も関係機関・団体等との連携を図りながら、被害者等の支援に取り組んでまいる所存でございます。
 以上でございます。
5、警察本部長(森田幸典)警察として犯罪被害者に対し、どのような支援を行っているのかとのご質問がございました。
 県警察では、奈良県警察被害者対策要綱に基づき、一、犯罪被害者等に対する直接支援、二、捜査過程における犯罪被害者等の負担の軽減、三、犯罪被害者等の安全の確保、四、被害者支援推進体制の充実の四つの柱で被害者支援を推進しております。
 このうち主な施策について申し上げますと、殺人事件や交通死亡事故などが発生した場合、事件や事故を担当した警察官が捜査の初期段階において被害者の手引きを配布し、犯罪被害者や、そのご遺族に支援の内容や刑事手続などを教示するとともに、その後の捜査の進展状況や加害者の検挙状況などの情報を提供しております。また、被害者等の要望により、裁判所等への付き添い、病院の手配、自宅への送迎などの支援活動を行うほか、傷害事件等の被害者の診断書料や性犯罪被害者の初診料及び遺体搬送費などの経費を公費で負担しております。こうした支援活動により、犯罪被害者等への直接支援や、捜査段階における負担の軽減に努めているところであります。
 さらに、犯罪被害者等が再び被害に遭うことのないよう、パトロール強化や被害者宅に緊急通報装置を設置するなど、安全確保に向けた対策を講じております。このほか、なら犯罪被害者支援センターに対しましては、電話相談事業の委託や、相談員養成講座への講師派遣など連携を図っており、毎年11月には同センターと共同して、犯罪被害者支援奈良県民のつどいを開催し、県民の被害者支援意識の向上に努めております。
 今後も犯罪被害者等が再びもとの平穏な生活を営むことができるよう、関係機関や団体と緊密な連携を図りながら、積極的な支援を推進してまいる所存であります。
 
《再質問》
知事はじめ、部局長の答弁にはおおむね理解、満足もさせていただいておりますけれども、まだ詳細についてお聞きしたい点がありますが、私も予算委員会に入っておりますので、その方で十分議論をさせていただきたいと思います。
 ただ、二、三感ずるところ、また、要望なりを申し上げたいと思います。
 その一点は、世界遺産登録についてでありますけれども、知事の前向きな、また飛鳥・藤原を思う、推進するお気持ちは十分伝わったわけですけれども、やはり取り組み、今後厳しいものがあると思われています。それは地元明日香からも聞いておりますけれども、地域性といいますか、その重要性、奈良に三つがあって、もう一つ世界遺産はどうなのかという、そういうようなところから飛鳥・藤原、平城というこの流れの中で、平城の世界遺産にくっつけてはどうかとかいうようなちらほら話も聞くわけですけれども、いずれにいたしましても、やはり飛鳥・藤原、日本の発祥の地でありますし、どうかこの世界遺産に向かってより一層のお力添え、ご努力をしていただきたいと。ちなみに、藤原という、橿原、明日香は議員連盟などいろいろ取り組むバックアップ体制が多いにありますし、平城は知事が大変力を入れておられるということ、藤原がどうしてもやはり見落とされているという。国営公園においても飛鳥・平城京というような形になっておると。そういう意味合いを十分私もこれからも訴えていかせていただきますので、重ねてひとつご協力のほど、よろしくお願い申し上げておきたいと思います。
 また、結婚ワクワクこどもすくすく県民会議、なら結婚応援団で百一組の成果が上げられたと。ただ、ほかにも報告がないですけれども、それらのこともたくさんおられるということで、それに携わった人たちは結婚の報告を聞くことが一番うれいしということを聞かせていただいております。これらについての成果、功績は高木局長の大きなやはり功績ではないかなと、この場をお借りいたしまて大変評価をさせていただきたいと、敬意を表させていただきたいと思いますし、また、今後もこれの取り組みについて局の方でしっかりと頑張っていただきいたいなと思います。
 もう一つ、五番目の犯罪被害者の支援についてのセンターの取り組みなんですけれども、どの設問も大変重要な私、思いがあるわけですけれども、質問していたときの気持ちもわかっていただくように、この被害者の方々の家族、それらの、被害に遭ってからのその人たちの気持ち、河野さんの話を、松本サリン事件のことをお話しさせていただきましたけれども、やはりこれについては第五条にもありますように、先ほど言いました犯罪被害者等基本法の五条にありますように、地方公共団体がやはりしっかりと取り組んでいただかなくてはいけない。もちろん地方公共団体には警察もその中の一つでありますけども、今まで犯罪被害者支援センターについて、警察の取り組み、特にこの運営に関しましては三千円の会費といいますか、一口三千円、法人が一万円と、何百名の方が協力をしてもらっていると。そして、法人でおいても31の企業が連絡協議会をつくって立ち上げたというような、一般、警察OB、そういう方々の大変なご努力で今、運営をされています。場所も市役所の建物を借りているというような、人もボランティアであるという。このボランティアも、七百時間程度の研修を受けて相談員になる。今で30名程度の方がおられるそうですけれども、並々ならぬ努力をこのセンターに傾注をしておられるということを、きょうこの場でまた質問させていただいて、松永くらし創造部長、ひとつ皆さん、このことに関してしっかりと目をあいていただきまして、また、これから、きょうから第一歩だということで、行政でも取り組む姿勢をひとつ切にお願いをしたいなと。そのことも、説明者は知事ではないですけれども、知事の方にもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最後になりましたけれども、きょう一般質問の最後でございます。橋本副知事におかれましては大変お疲れさまでございました。私も当選以来いろいろご指導をいただきました。この場をお借りいたしまして御礼を申し上げますとともに、今後のご活躍を期待いたします。それ以外の方でもこの場が最後という方もおられるかもわかりませんけれども、ご慰労をさせていただいております。
 どうもありがとうございました。

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