後援会だより

処暑 第31号

代表質問をいたしました

代表質問をいたしました
平成17年6月23日、第25回定例県議会において自民党会派27名の代表として、初めての代表質問を致しました。

【1】「世界に光る奈良県づくり」について
【2】新長期ビジョンの進捗状況について
【3】県施設への指定管理者制度への導入について
【4】発達障害者に対する支援施策について
【5】教育問題について
【6】子どもを犯罪の被害から守る条例について
山本のぶあき
「世界に光る奈良県づくり」について
(質問)

 「世界に光る奈良県づくり」を目指すうえで、海外から観光客を誘致するには、東アジアからの旅行者への対応と近府県との連携が不可欠と認識しているが、県として海外からの観光客誘致にどのように取り組むのか。

(答弁)柿本知事

柿本知事 今後の観光施策の方向として、「外国人観光客の誘致」を、「宿泊観光の推進」及び「新しい魅力の創出」と並ぶ3つの戦略の1つとして、平城遷都1300年を目標年次とする「観光戦略」を策定中。
東アジアからの誘客を図るため、今年度、韓国・台湾・中国をターゲットにマーケティング調査を行い、これら東アジア諸国からの観光客の嗜好を分析、本県の特性を活かしたモデル商品を造成。
また、昨年度、NPOと協働で外国語表記(英語・韓国語)による奈良や明日香を巡るモデルコースマップを作成。今年度は、中国語にも対応する予定で、さらに吉野コースも追加。
加えて、日韓友情年に合わせた韓国でのプロモーションや、北京でのセミナーにも参加予定。
外国人対応の「観光推奨バス路線」の第2弾として、『世界遺産ぐるっとバス』に次いで『奈良・西の京・斑鳩回遊ライン』が本年4月から運行。
さらに、奈良に滞在経験を持つ外国人等を「奈良まほろば大使」として委嘱し、奈良の魅力をPRしてもらうとともに、海外からの情報も提供して頂く。
など、いろいろな具体策を併行して試みているところであり、多方面に奈良の魅力に触れ、楽しみ、理解を深めて頂けるよう、官民が一体となって、外国人観光客の誘致対策を積極的に推進していく所存。

(質問)

 本県をアピールするうえで、テレビ、映画、映像は非常に影響が大きいと考えるが、2年目を迎えたフィルムコミッションのこれまでの成果と今後の展望、展開について伺いたい。

(答弁)柿本知事

 昨年4月21日に「フィルムコミッション・奈良県サポートセンター」を設立後、約100件の撮影に関する情報提供などの支援を行い、このうち41件が撮影に至っている。実際の撮影にあたりましては、民間のNPOフィルムコミッションとか、大和桜井フィルムコミッションなどと連携を図りながら、エキストラの調達とか撮影場所とのロケ調整など様々な支援を行っている。
海外についても、韓国・ポーランド・シンガポールのメディアからの撮影実績もある。本年度は海外向け誘致パンフレットを作成する予定。国においては国内のフイルムコミッションを集約するサイト計画されているようであり、こういうサイトも通じて撮影誘致にも努めてまいりたい。
こういうかたちで相互連携やあるいは誘致活動あるいは文化振興、観光振興に役立ててまいりたい。

(質問)

 県民、国民の財産であるキトラ古墳、高松塚古墳の壁画について、現地での保存公開を望むが、県として保存にこれまでどのように関わってきたのか、また現在の保存対策状況はどうか。さらに、将来の保存公開についてどのように考えているのか。

(答弁)柿本知事

 現在、文化庁において「特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会」及び「国宝高松塚古墳壁画恒久保存対策検討会」をそれぞれ設置されており、今後の保存・活用について検討がなされている。
県は、明日香村とともにこの委員会及び検討会にオブザーバーとして出席しており、修理保存の進捗を確認し、保存活用方法に意見を述べているところ。
また、県立橿原考古学研究所の職員が文化庁より依頼を受け委員として入っており、また、「キトラ古墳」の石室の発掘調査、「高松塚古墳」の墳丘の発掘調査に携わってきたところ。
キトラ古墳の壁画については、全面的な取り外しが決定され、順次取り外しがされているところであり、保存・修復が時間をかけ慎重に行われているが、修復後はキトラ古墳周辺で保存公開できるよう希望しており、検討されていると漏れ聞いている。
高松塚古墳については、壁画の恒久保存方針の策定にあたり、この27日開催の検討会において予定されている。
(※壁画を石材ごと墳丘から取り出し修復保存する石室解体案の採用が決定された)
県としては、両壁画が本県の中でも特に貴重な文化財であるという考え方にたって、高松塚古墳の壁画についても、現地での保存、修復が不可能であるといっても、石室の壁画の修復後の保存・活用については、地元明日香村の意見と同じく、文化財の所在地である地元で保存・公開するべきであるという考えを持っている。
これからも村と連携し、国に要望してゆきたいと考えている。


新長期ビジョンの進捗状況について
(質問)

 今月初めにまとまった新長期ビジョンの素案の特徴はどういったものか。特にどのようなところが従来の総合計画と異なるのか。

(答弁)柿本知事

柿本知事 今回の新長期ビジョンは、少子高齢化や人口減少など大きく様変わりしつつある未来社会の姿を、30年という長期(従来の言い方をすれば超長期)の視点で見定めて、県民の皆様方との共通の分かりやすい目標を設定しようとするもの。
素案の特徴は、まず、30年先を見通したという点が全国初の取り組み。同時にその中身として、生活全般にわたる、具体的で分かりやすい政策目標を立てようと試みている点、例えば、「健康寿命の上昇」や「若年無業者(いわゆるニート)数の減少」等の設定を試みようとしている点。また、よりよい日本の社会をつくるという観点から、単に今の状況のトレンド志向ではなく、子育てや安心な地域づくりなどの課題解決を目指す目標、あるいは、家族や子どもの大切さや模範意識の育成とかを、県民・国民に対して呼びかけるような問題提起も試みている、いわば、現実の課題・要請・関心事を確かめながら、それに対してできる限り目標設定を試みたいというところが特徴と受け取りいただきたい。難しい課題であり、どこまで成功するか分からないが、精一杯やらせていただきたい。

(質問)

 少子化や高齢化が進む中、人口などの基本となる枠組みをどのように想定しているのか。

(答弁)柿本知事

 「人口」については、奈良県の推定人口を、今後30年で12〜23万人減少するレベルである、120〜131万人という見込みを立てているところ。
「経済・産業」については、30年後の「奈良県の一人当たりの県民所得」を現在の約270万円から、400ないし500万円に上昇すると見込んだ次第。
ただし、この数値は様々な前提がある。色々な主体による対策が功を奏した場合とか、色々なことが実現されることが前提。ビジョンの将来像の実現に向けて、それが実現されるような幅広い取り組みも進めていくことが必要であり、ビジョンと取り組みとの相互作用というものを頭に置いておかなければならないと考えている。

(質問)

  素案で示されている様々な政策目標などをどのように実現していこうと考えているのか。

(答弁)柿本知事

 ビジョンは30年後を目指したものであり、それだけでは当面の取り組みが示せないため、併せて、県が主導的に取り組む当面5年間の実施計画も今年度内の策定を目指す。同時に、ビジョンあるいは5年間の実施計画の策定後も、これを実効あるものとするため、その進行管理とともに、予算編成や組織の見直し、あるいはそういうものを総合的にマネジメントするシステムも考えていかなければならない。
また、社会情勢の変化などに対応するため、必要に応じて、ビジョンや実施計画そのものの見直しもしていかなければならないと考えている。


県施設への指定管理者制度への導入について
(質問)

 来年4月に14施設に指定管理者制度を導入するとのことであるが、今後どのような手続きを踏むのか。

(答弁)柿本知事

柿本知事 公募する施設については、7月上旬から募集要項を配布し、事業者の募集を開始。事業者による事業計画書等の作成期間として約2ヶ月間を確保し、募集〆切は8月下旬を予定。公募しない施設についても、指定管理を行わせようとする団体に、8月下旬までに事業計画書を作成、提出させる。
事業者の選定にあたっては、厳正かつ公平に審査を行うため、「奈良県公の施設指定管理者選定審査会」を設置。審査会の7名の委員は、公募委員2名を含め、全員を外部委員とする予定。9月以降、応募業者からのプレゼンテーションなどを経て選定審査を行い、11月には指定管理予定者を決定。
その後、地方自治法の定めに従い、指定管理者となる事業者と指定期間を定める議案を12月議会に提案。議決後、指定管理者との協定書の締結、利用料金の承認、現在の管理委託先との引継ぎなどを行い、来年4月1日から指定管理者による管理を開始する予定。

(質問)

 指定管理者制度を導入することにより、どのような効果を期待しているのか。また、民間業者がノウハウを活かし、より一層の効果を発揮するために、どのような工夫をするのか。

(答弁)柿本知事

 住民サービスの向上と経費の節減を期待。
開場時間の延長や開館日の拡大、講座・講習会、イベントなどの自主事業の開催など、指定管理独自のノウハウを活かした利用者の利便性向上により、利用促進が図られることを想定。施設の性格に応じて一定の制限は設けるものの、事業者からの積極的な提案を期待しており、その旨を募集要項に明記。

(質問)

  民間事業者では施設のサービスの質が低下したり、利用料金が引き上げられたりすることがあるのではないかという懸念について、どう考えるのか。

(答弁)柿本知事

 指定管理業務開始後、地方自治法の規定により、毎年度終了後に事業報告書を提出させるほか、必要に応じて状況報告、実地調査を行うとともに、必要な指示を行う。指定管理者がその指示に従わない場合は、指定の取り消し、業務の全部または一部の停止を命じることも可能。
民間業者が指定管理者になっても、施設におけるサービスの質が低下する懸念はない。

(質問)

 今回制度を導入しなかった公の施設についても、順次拡大すべきと考えるがどうか。

(答弁)柿本知事

 指定管理業者制度の導入対象としなかった公の施設についても、恒久的に県直営での運営を続けていくと決めたものではなく、そもそもの設置の必要性や管理のあり方を見直すとともに、今回の14施設における制度導入の効果を検証しながら、引き続き指定管理者制度への移行の可能性についても検討していく。


発達障害者に対する支援施策について
(質問)

 発達障害者支援法が去る4月に施行され、本県においても乳幼児健診等による早期発見や親が気軽に相談できる体制整備、学校卒業後の就労支援など、乳幼児期から成人期に至る各ライフステージに対応した支援体制の早急な確立が必要と考える。県として、発達障害の発見・相談・療育及び就労支援についてどのように取り組むのか。

(答弁)柿本知事

柿本知事 本県においては、発達障害者やその家族に対する総合的な支援を行うための「発達障害者支援センター」を、障害児施設に委託する方法により、平成18年1月に開設する方向で検討中。
この支援センターでは、発達障害者に対して、相談支援、療育支援、就労支援などを行うとともに、関係機関の職員や市町村の担当職員等に対し啓発、研修などを予定。
今後、県としては、発達障害者支援センターを中心として、各分野との緊密な連携のもと、総合的な支援を図る所存。


教育問題について
(質問)

 本県の不登校の実態はどのようなものか。また、県として不登校の生徒・児童への対策をさらに充実すべきと考えるがどうか。

(答弁)矢和多教育長

矢和多教育長 本県の平成15年度における不登校児童生徒数は、小学校で340人、中学校で1,313人、高等学校では287人で、全年度より減少したものの、依然として憂慮すべき状況にある。
県教委では、中学校40校、高校5校にスクールカウンセラーを配置し、近隣の学校からの相談にも応じる体制をとっている。
小学校については、14校に、親や子の気軽な相談相手として「子どもと親の相談員」を配置して、子どもたちのストレスの解消や親の子育てについてアドバイスを行っている。
さらに、学校の必要に応じて、精神科医等からなるスクール・カウンセリング・カウンセラーを派遣し、教職員や保護者からの不登校等に関する相談に応じている。
また、スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業として、県内の適応指導教室の連携を進め、適応指導教室を設置していない市町村の不登校児童生徒の支援を強化するとともに、ひきこもり傾向にある子どもたちへの訪問指導も行っている。
なお、教職員の指導・支援能力の向上のための研修等にも取り組んでおり、従来からの施策である電話・来所教育相談と併せ、今後とも不登校児童生徒の支援に努めてまいる。

(質問)

 子どもに善悪の判断をしっかりと考え、教師が範を示し、教え導く必要があると考えるが、これについての認識と取り組みについて伺いたい。

(答弁)矢和多教育長

 県教委では、家庭での子育てと躾のポイントを簡潔にまとめた「親学サポートブック」や「家庭教育7か条」を保護者に配布するなど、家庭教育の支援に努めている。
学校においては、家庭における躾を基盤に、子どもの発達段階に応じて、社会性に関する倫理やルール、生命の大切さ、暴力の非人間性などを具体的に、道徳や特別活動の時間を含めて、全ての教育活動の中で指導している。
今年度、県教委では、子どもたちを自立した社会人に育てるという目標のもと、「キャリア教育プラン」を作成配布、系統だって、礼儀や規範等の社会的な資質の具体的な目標を示し、各学校において展開するよう指示したところ。
今後とも、子どもたちの道徳性や規範意識等、社会性の育成に向けて努力してまいりたい。


子どもを犯罪の被害から守る条例について
(質問)

(1)本条例の提案にあたり、その必要性と検討の経緯、経過について伺いたい。
(2)子どもの生命又は身体に危害を及ぼす犯罪の被害を未然に防止し、子どもの安全を確保するという本条例の目的達成のために、条例案にどのような内容を盛り込み、特に議論のある「声かけ行為」について「善意のもの」と「悪意のもの」とを区別するためにどのような工夫をしたのか。
(3)県民等に広く周知を図るための手立てとして、どのような方法を考えているのか。

(答弁)菱川県警本部長

菱川県警本部長 最近、子どもを狙った凶悪犯罪が多発しており、子どもを取り巻く治安情勢は非常に深刻な状況。また、地域では保護者・地域住民・学校関係者及び所轄警察署員等が一丸となり、様々な子どもを守る取り組みが、従来にも増して積極的に行われているが、依然として、声かけをはじめとする「子どもに不安を与える事案」が多発。
このような状況に鑑み、本条例案を提案した次第。
条例案の作成にあたっては、県の各部局で構成される「安全やまとまちづくり県民会議」に提案し、議論していただくなど、十分な検討を行った上で、提案させていただいた。
この条例においては、子どもの生命・身体に危害を及ぼす犯罪を防止するするため、県・県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、そのために必要な施策を定めている。
特に、議論のあった「声かけ行為」の規制については、行為内容をより限定的かつ外形的に明確になるよう、「甘言を用いて惑わし、又は虚言を用いて欺いてはならない」と具体的に規定し、「善意の声かけ」が規制対象とならないことを文言上明確にするとともに、罰則をおかないこととし、県民の不安を解消すべく工夫した。
本条例については、県・市町村の広報誌やホームページへの掲載、交番・駐在所だよりの発行、広報パンフレットの作成、マスコミへの協力依頼等により、県民に対し、周知徹底を図ってまいりたい。


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