1)第3次明日香村整備計画について、これまでの進捗状況と今後の計画推進の取り組みについて伺いたい。

明日香村は、国民共有のかけがえのない財産を有しており、県としても、明日香村整備計画はもとより、国と連携した交付金等により支援に努めているところでございます。第三次明日香村整備計画においては、現在、平成12年度から6年目を迎えましたが、この間、県事業では万葉文化館の整備や広域連絡幹線道路である県道桜井明日香吉野線の奥山-小原間等の道路整備、明日香葛城自転車道整備、平田川等河川改修が既に完了、また、村事業では、村道入谷新道線の整備や飛鳥駅前環境整備等が完了したところでございます。事業費実績は、県事業が約74億2千万円、村事業が約50億円の計124億2千万円となり、進捗度は約40%で、当初の予定には達していないところでございます。これは、貴重な歴史的風土を持つ明日香村であることから、事業の推進に当たって、特に地権者との交渉やルート検討等の事業調整に十分な配慮が必要であること、また、埋蔵文化財の調整等が必要となる等が主な要因と認識しております。
なお、当初、村事業として整備予定の工芸体験館については、国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区基本計画策定を受け、これに相当する施設が当該公園事業で整備が進められる予定となったところでございます。
いずれにしましても、この整備計画の推進を進めるため、関係部局による庁内連絡会議や国、県、村をメンバーとする整備計画推進連絡会を設置し、関係機関の相互の連絡調整に努めており、今後とも国、県、村で連携を密にし、この計画の着実な事業の推進に努めてまいる所存でございます。
2) 国営飛鳥歴史公園キトラ古墳地区の整備を具体化するにあたって必要となる都市計画変更について、今後どのように手続きを進めていかれるのか伺いたい。

国土交通省の都市計画変更案は、2月28日に行われましたキトラ古墳周辺地区基本計画検討委員会において了承され、3月1日に県に送付されたところでございます。その内容は、平成15年に史跡指定されました檜隈寺跡の周辺部を新たに公園区域に編入をするとともに、エントランス機能をキトラ古墳及び檜隈寺跡に近接した場所にそれぞれ配置するなどによりまして、史跡の保存と活用、来園者の利便性の向上を図るものとなっております。今後、県は、住民の意見を反映させるため、3月25日に説明会を開催し、さらに、明日香村の意見聴取、都市計画案の公告、縦覧、都市計画審議会での審議等の手続を経て、都市計画の変更の決定を行うこととしております。都市計画変更後は、国営飛鳥歴史公園の早期整備について、引き続き国土交通省に要望してまいります。
3)史跡高取城跡について、来年度からどのように整備を進めていくのか、その見通しについて伺いたい。

史跡高取城跡につきましては、現在、石垣の緩みや、登山道、散策道に崩落しているところが目立ちまして、来訪者にとって非常に危険なところもございますので、新年度から5カ年計画で、緊急を要する箇所の整備を行うことといたしております。
高取町では、昨年度から国庫補助を受けまして、高取城跡の保存管理計画を策定され、これに県の教育委員会も支援してきたところでございます。県の教育委員会といたしましては、文化財として地域の文化的行事等にさらに積極的に活用され、地域の文化の向上に役立てていただくことを期待いたしまして、今回の整備の機会にあわせまして、今後の管理、活用の進め方を町と継続して協議をしていきたいと考えております。
4)道路整備について
1. 一般国道169高取バイパスの現在の進捗状況と、今後どのように事業をすすめていかれるのか伺いたい。
2. 一般県道多武峰見瀬線(上工区)の進捗状況と完成の見通し、並びに主要地方道桜井明日香吉野線(石舞台周辺)の道路整備の取り組みについて伺いたい。

1. 169号高取バイパスの用地につきましては、現在57%を取得しておりまして、課題であった公図混乱の訂正についても、清水谷地区の一部を残していますけれども、地元の協力を得ながら調整中であり、来年度中には解決したいと考えております。
工事につきましては、薩摩地区で近鉄吉野線と御所高取線をまたぐ跨線橋、松山地区で町道清水谷市尾丹生谷線をまたぐ高架橋の工事を施工しているところでございます。平成18年度は、残る用地買収、文化財発掘調査及び2つの橋りょう工事を進めることといたしておりまして、今後とも用地取得、工事を推進し、事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
2. 多武峰見瀬線の明日香村上地区の1kmの区間については、舗装を除いて500mが完成しております。残る500mの区間の用地買収を今年度に完了し、現在改良工事を行っております。平成18年度は、引き続き改良工事を行うとともに、明日香村と桜井市の境界の橋りょう工事を進め、早期の完成に向けて事業の推進を図ってまいります。
県道桜井明日香吉野線は、歩行者と自動車の分離が必要と認識されるため、国土交通省国営飛鳥歴史公園事務所、明日香村など関係機関と調整を進め、今年1月から、ルートを検討するため文化財調査を実施しており、七世紀前半に建てられたと推測される柱跡などが確認されたところでございます。この状況を踏まえまして、関係機関の意見を聞きながら引き続きルートの検討を行い、道路計画の策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
|