後援会だより

新春 第37号

平成18年12月8日一般質問要旨

平成18年12月8日一般質問要旨
【1】市町村合併について
【2】「奈良県認定こども園の認定の基準に関す
る条例案」について
【3】地域の魅力づくりについて
【4】世界遺産登録への取り組みについて
【5】教育問題について
【6】若手警察官への実践教育・訓練について
1. 市町村合併について

「市町村合併推進構想」で示された合併を実現させるために、勧告権の活用など、県が強いリーダーシップを発揮すべきだと考えるが、所見を伺いたい。

(答弁)柿本知事

 県が合併推進構想策定後、約8か月が経過した中で、市町村長との個別の面談等を通じ、各市町村とも市町村合併の必要性については概ね理解して頂いていると認識しています。
県では、引き続き長期的な視点にたった市町村合併の必要性について市町村や県民の皆様方に理解していただける情報を提供していくとともに、財政支援および人的支援など県としての役割を積極的に果たして参りたいと考えています。
新しい合併特例法の期限まであと3年余りのため、そうした取り組みにとどまらず、早急に各地域に於いて改めて議論をスタートして頂くことが必要であり、関係市町村に対し地域の実情に即した具体的な助言を適宜に実施していくとともに、今後はさらに各地域の具体的な状況に応じて合併協議会の設置を念頭に新たな呼びかけの方法を検討していきたい。
市町村合併については、構想を土台にまずはそれぞれの地域で合併について改めて主体的な論議を尽くして頂きたいというのが県の基本的な考え方であり、その上で合併協議会の設置の勧告等は、ひとつの切り札の役割を果たすものだと考えています。それだけにそれを行うには時期や効果を十分見極める必要があり、それぞれの地域の取り組みや持論の状況に応じてどういうプロセス、あるいはどういう段階がもっとも適切かということを個別に研究しながら対応していきたい。


2.「奈良県認定こども園の認定の基準に関する条例案」について

この制度が目指すもの、目的はなにか。また、危惧されているような現行制度への影響はないのか伺いたい。

(答)上森こども家庭局長

 近年の急激な少子化の進行や家庭・地域を取り巻く環境の変化によりまして、就学前のこどもの教育・保育等に関するニーズは多様化してきております。これまでの取り組みだけでは対応できない状況が顕在化してきたところです。
認定こども園制度はこうした状況に対応するために、一つは親の就労の有無にかかわらず施設利用が可能となる。二つ目は、既存施設の有効利用による待機児童の解消を図る。三つ目は専業主婦・家庭等への育児支援を含む地域子育て支援を充実する。四つ目として、こどもの現象に伴い適切な規模のこどもの集団を確保する。など、こどもの視点に立って就学前のこどもに対する教育及び保育と地域における子育て支援を総合的に提供する機能を備える施設を認定こども園として知事が認定する制度です。
現在提案中の条例案は、現行の幼稚園設置基準及び児童福祉施設最低基準に基づき国が定めた指針に準じ、奈良県認定こども園審議会において充分審議の上策定したもので、現行の幼稚園及び保育所制度に対して影響を及ぼすことや現在の教育と保育の水準を低下させることはないと考えています。


3.地域の魅力づくりについて

 平城遷都1300年に向けて、県内各地域の魅力づくりの推進が期待されるが、県はどのような取り組みをされようとしているのか伺いたい。

(答)中野観光交流局長

 今年度の新たな取り組みとして、宿泊観光を促す地域の魅力づくり事業(NPOなどの民間団体から宿泊観光に繋がる魅力的かつ先駆的なモデル事業を広く公募し選定の上支援するもの)を実施したところです。本年度は、5事業を採択、宇陀市松山地区の参加体験型サービスの開発、宿泊ツアーイベントの創出として、斑鳩・信貴山、吉野山、天川村洞川の三地区で事業を実施、または実施予定です。これらの取り組み内容や成果は広く情報発信するとともに、地域の素材を活かしながら魅力向上へ向けた取り組みが他地域においても展開されるよう積極的に活用して参りたい。
加えて県内各地域の歴史伝説など多彩な魅力を紹介する新たなガイドブックとして「(仮称)大和路巡礼事典」の出版に向けた準備を進めています。さらに、私のおすすめ五感で楽しむ奈良の募集事業も実施中であり、奈良での滞在時間の延長を図り、宿泊観光の推進に繋げて参ります。
一方、2010年の平城遷都1300年に向け記念事業協会では県内各地で平城京広域ネットワーク事業の展開についてプランづくりが進められています。
いずれも2010年を目標に、記念事業協会をはじめ、市町村・社寺・文化施設・NPOなどの各種団体あるいは県内大学などと連携を図りながら新しい魅力ある地域づくりが推進できるよう積極的に取り組んで参ります。


4.世界遺産登録への取り組みについて

「飛鳥・藤原」地域の暫定リスト候補の提案について、その経緯と意義を伺いたい。
また、今後どのように取り組んでいくのか。

(答)矢和多教育長

 現在、法隆寺地域の仏教建造物、古都奈良の文化財、紀伊山地の霊場と参詣道の三件が世界遺産として登録されています。
今般文化庁からの世界遺産暫定一覧表追加候補の提案要請に対し、市町村に照会、明日香村・桜井市・橿原市が飛鳥藤原地域を共同提案するとの意向が提示され、県教育委員会として、二市一村と共同で提案していくことと致しました。
この登録により、わが国の国家形成の過程や、国際交流の軌跡と併せ多様な文化の共存が基盤となる日本文化の特徴を広く世界に発信していきたいと考えています。計28箇所の総体の名称を「飛鳥藤原古代日本の旧都と遺跡群」と決定しました。
県教育委員会として今後、地元二市一村とともに県民の皆様のご協力を頂きながら、登録の実現に向かい努力して参ります。


5.教育問題について

小学校の子どもたちの道徳心や公共心を育成する教育や教員の指導力向上について、どのように取り組まれるのか伺いたい。

(答)矢和多教育長

 具体的には、県教育委員会では、本年度について、道徳の時間に基本的な生活習慣やルールの大切さについて考える小学校低学年向けの道徳学習ビデオ教材テーマ「これでいいのか」を作成し全ての小学校に配布して道徳教育の充実を図りたいと考えています。
体験活動では、豊かな体験学習推進事業や森林環境教育などにおいて、動物とのふれあい体験・ボランティア体験・集団宿泊体験・自然体験・伝統文化に触れる体験などに取り組んでいます。
道徳教育は家庭や地域においても取り組むことが重要なため、企業・報道関係者・保護者・教育関係者等からなる「奈良県道徳教育振興会議」を設置しており、今年度は、広報誌への掲載、ポスターの作成、道徳教育フォーラムの開催等により、家庭や地域に道徳教育の重要性を訴えていくこととしています。
教員の指導の向上については、主任者研修や10年経験者研修などの悉皆研修のほか道徳教育についての研修講座・研究指定校等の研究発表会や授業公開等を通じて取り組んでいます。本年4月からは、学校アドバイザリーチームが学校を訪問し、各種の教育活動について助言を行っています。
今後も、学校・家庭・地域が連携してこどもたちの公徳心や規範意識を高めていけるよう努めてまいります。


6.若手警察官への実践教育・訓練について

警察官の大量退職と大量採用により、ベテラン警察官が少なくなるが、採用後間もない、特に警察署に赴任した若手警察官に対して、県民の安全・安心を確保するため、どのような実践教育・訓練を実施しておられるのか伺いたい。

(答)坪田警察本部長

 県警察では、平成28年までの10年間で約40%、1000人以上の警察官が新しく入れ替わることになります。これに伴う現場の執行力の低下が懸念されるところで県警察におきましては、強靭な執行力と高い意識を兼ね備えた精強な警察官の育成を期して多種の教育訓練プログラムを実施しておりますが、中でも大量退職、大量採用に伴い増え続ける若手警察官の早期戦力化という問題は組織を挙げて重点的に取り組んでいます。
新規採用された警察官に対しては、採用時教育として、長期21ヶ月短期15ヶ月の警察学校での訓練を行っています。教育訓練を経て警察署に配置され、日常業務において上司から指導を受け、強靭な執行力を養うために、各警察署において毎朝礼時における継続的な逮捕術訓練や柔剣道訓練を通じ、気力体力の厳正につとめています。
また、昨年来プロジェクトチームを設置し、地域警察を中心とした精強な第一線警察を構築するための総合プランを策定し、厳しい治安情勢下で警察力のレベルアップを図る総合的な施策を推進しています。中でもベテラン警察官が長年にわたり習得した各分野の専門的技能や知識を後継者に伝承するなどベテランによる伝承教養を通じた後継者育成方策を充実強化しています。
以上、県警としては現場における執行力の低下、ひいては警察力の弱体化をきたすことのないよう、諸対策を推進して県民の安心と安全確保に万全を期して参りたいと考えています。


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